フランス語には膨大な量の愛称のバリエーションがあり、恋人や夫、妻に対するさまざまな呼び方があります。性別に関係なく使えるもの、男女それぞれにしか使えないものに分けて、愛する人に対するさまざまな呼び方を見ていきましょう。
性別に関係なく使う愛称
フランス語で「愛称」のことをterme d’affection(テルム ダフェクスィヨン)と言います。特に、恋人間や夫婦間などで使わるものはsurnom amoureux(スュルノマムルー)やpetit nom d’amour(プチ ノム ダムール)と言ったりします。
さまざまな愛称を単語の意味とともに紹介していきますが、すべて訳は「あなた」「おまえ」「きみ」など愛する人に対する呼び方になります。愛称で頻出するmon(モン)、ma(マ)という単語は「私の」という意味があります。
それでは、まずは性別に関係なく使える愛称について紹介します。
mon bébé(モン ベベ)“私の赤ちゃん”
bébé(ベベ)単独でも使うことがあります。
mon amour(モナムール)“私の愛”
mamour(マムール)“私の愛”
mon amourのスペルが崩れたもの。
mon ange(モノンジュ)“私の天使”
chou(シュー)“キャベツ”
ma moitié(マ モワティエ)“私の半分”
mon bonbon(モン ボンボン)“私のキャンディ”
ma petite étoile(マ プチッテトワール)“私の小さな星”
mon arc-en-ciel(モナルコンスィエル)“私の虹”
mon lapin(モン ラパン)“私のうさぎ”
mon petit loup(モン プチ ルー)“私の小さな狼”
chaton(シャトン)“子猫”
minou(ミヌー)“子猫”
mon poussin(モン プサン)“私のひよこ”
mon trésor(モン トレゾール)“私の宝物”
mon bijou(モン ビジュー)“私の宝石”
mon diamant(モン ディヤモン)“私のダイヤモンド”
crevette(クルヴェット)“小エビ”
mon chou à la crème(モン シュー ア ラ クレーム)“私のシュークリーム”
bout d’chou(ブー ドゥシュー)“キャベツの先端”
mon p’tit boudchoux(モン プチット ブードゥシュー)“私の小さなキャベツの先端”
p’titはpetit、boudchouxはbout d’chouのスペルが崩れたもの。
ma petite grenouille(マ プチット グルヌイユ)“私の小さなカエル”
namour(ナムール)“恋人”
mon rayon de soleil(モン レヨン ドゥ ソレイユ)“私の日光”
mon sucre d’orge(モン スュクル ドルジュ)“シュークル・ドルジュ(フランスのキャンディの名前)”
mon sushi(モン スシ)“私の寿司”
フランス語の愛称ではオリジナリティも大切にされるため、このような呼び方が生まれます。日本人とは違う感性ですね。
女性から男性に対して使う愛称
次に、男性(彼氏や夫)を呼ぶときに使う愛称について見ていきましょう。
mon chéri(モン シェリ)“私の愛しい人”
mon chériだけでなく、chéri(シェリ)と単体でも使います。
mon cœur(モン クール)“私のハート”
chouchou(シュシュ)“お気に入り”
choupinet(シュピネ)
愛称や動物の名前などに用いられる。意味はない。
choupinou(シュピヌー)
愛称や動物の名前などに用いられる。意味はない。
champion(ションピヨン)“チャンピオン”
cowboy(カボーユ)“カウボーイ”
ちなみに正しい「カウボーイ」を表す単語のスペルはcow-boyです。
doudou(ドゥドゥ)“赤ちゃんお気に入りのぬいぐるみ”
bibi(ビビ)“小さな帽子”
calinours(キャリヌール)“甘えん坊なテディベア”
câlin(甘えん坊な)+ours(熊)と思われる造語。
beau brun(ボー ブラン)“美しい褐色”
beau blond(ボー ブロン)“美しいブロンド”
chérichou(シェリー シュー)“愛しいキャベツ”
chéri(愛しい人)+chou(キャベツ)と思われる造語。
mon loup(モン ルー)“私の狼”
loulou(ルルー)
mon loupを元にした呼び方。意味はない。
ma flamme(マ フラム)“私の炎”
mon coussinet(モン クスィネ)“私の小さなクッション”
ma guimauve(マ ギモーヴ)“私のマシュマロ”
mon chamallow(モン シャマロ)“私のマシュマロ”
chamallowはフランスで売られているマシュマロの商品名です。
mon pain d’épice(モン パン デピス)“私のパン・デピス”
パン・デピスはフランスのケーキのような見た目のお菓子です。
roudoudou(ルドゥドゥ)“私のルドゥドゥ”
roudoudouは貝殻の見た目をしたフランスのキャンディです。
mon namoureux(モンナムルー)“私の恋人”
namoureuxはamoureuxのスペルが崩れたもの。
mon Apollon(モナポロン)“私のアポロン神”
アポロンはギリシア神話に登場する神の名前です。
mon beau(モン ボー)“私の美”
mon beau chevalier(モン ボー シュヴァリエ)“私の美しい騎士”
mon bien-aimé(モン ビヤネメ)“私のお気に入り”
mon biquet(モン ビケ)“私の子供の雄鹿”
mon ours(モヌルス)“私の熊”
ourson(ウルソン)“小熊”
mon gorille(モン ゴリーユ)“私のゴリラ”
mon petit monstre(モン プチ モンストル)“私の小さなモンスター”
mon canard(モン キャナール)“私のアヒル”
mon pingouin(モン パングワン)“私のペンギン”
mon homme(モノム)“私の男”
mon Roméo(モン ロメオ)“私のロメオ”
『ロミオとジュリエット』のロメオですね。
mon Jules(モン ジュール)“私のジュール”
Jules César(ジュール セザール)はローマ帝国で有名なかのユリウス・カエサルのことです。
mon Valentin(モン ヴァロンタン)“私のバレンタイン”
mon petit prince(モン プチ プランス)“私の星の王子さま”
mon petit tigre(モン プチ ティーグル)“私の子虎”
ti-gris(ティーグリ)“私の虎”
「虎」を意味するtigre(ティグル)を元にした造語。
男性から女性に対して使う愛称
最後に、女性(彼女や妻)を呼ぶときに使う愛称について見ていきましょう。
ma chérie(マ シェリ)“私の愛しい人”
ma chérieだけでなく、chérie(シェリ)と単体でも使います。
mon p’tit cœur(モン プチ クール)“私の小さなハート”
p’titはpetitのスペルが崩れたものです。
ma bien-aimée(マ ビヤネメ)“私のお気に入り”
ma Demoiselle(マ ドゥモワゼル)
mademoiselle(マドゥモワゼル)の言葉遊び。意味はない。
ma puce(マ ピュス)“私のノミ”
pupuce(ピュピュス)
puceの言葉遊び。意味はない。
ma belle(マ ベル)“私の美”
ma beauté(マ ボテ)“私の美”
beauté fatale(ボテ ファタル)“壊れやすい美”
ma petite folie(マ プチット フォリ)“私の小さなおばかさん”
mignonne(ミニョンヌ)“かわいらしい人”
ma rose(マ ローズ)“私の薔薇”
mon lys(モン リス)“私の百合”
petite fleur(プチット フルール)“小さな花”
bijou(ビジュー)“宝石”
ma perle rare(マ ペルル ラール)“私の珍しい真珠”
ma biche(マ ビッシュ)“私の子供の雌鹿”
bibiche(ビビッシュ)
bicheの言葉遊び。意味はない。
ma chouette(マ シュエット)“私のフクロウ”
ma colombe(マ コロンブ)“私の鳩”
mon coquelicot(モン コケリコ)“私のニワトリ”
ma gazelle(マ ガゼル)“私のガゼル”
ma lionne(マ リヨンヌ)“私のメスライオン”
ma louve(マ ルーヴ)“私の雌狼”
tigresse(ティグレス)“雌虎”
ma déesse(マ デエス)“私の女神”
ma reine(マ レーヌ)“私の女王”
ma juliette(マ ジュリエット)“私のジュリエット”
『ロミオとジュリエット』のジュリエットですね。
ma Schtroumpfette(マ シュトロンプフェット)“私のスマーフェット”
スマーフェットはアニメキャラクターの名前です。
mon Andalouse(モノンダルーズ)“私のアンダルシア”
andalouseは「アンダルシア地方の」という形容詞で、「アンダルシア」は正確にはAndalousie(オンダルズィ)です。
maman(マモン)“お母さん”
ma petite nénette(マ プチット ネネット)“私の小さな女”
ma p’tite femme(マ プチット ファム)“私の小さな女”
ma poupée(マ プーペ)“私の人形”
フランス語の愛称はバリエーション豊富
フランス語では愛する人に対する愛称がさまざまにあることがわかりましたね。特にsushiのようなネーミングセンスは日本人にはやや理解できないところがありますね。
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