「玉ねぎ」はフランス語でoignon(オニョン)またはognon(オニョン)と言います。
「玉ねぎ」のスペルは結局oignonを使うのか、ognonを使うのか、ということが少し前にフランスで話題になりました。そんな玉ねぎに関するフランス語の単語や表現も一緒に見ていきましょう。
もくじ
「玉ねぎ」はフランス語でoignon(オニョン)
oignon(オニョン)はフランス語で「玉ねぎ」を意味する男性名詞です。
1つならun oignon(アノニョン)、2つ以上ならdes oignons(デゾニョン)となります。
基本的なフランス語のスペルの読み方に従えば「ワニョン」と読みそうですが、この単語は発音の規則に従わず、例外的に「オニョン」と発音します。
また、oignon(オニョン)には「球根」という意味もあります。例えば、oignon de tulipes(オニョン ドゥ チュリップ)は「チューリップの球根」を意味します。玉ねぎの見た目が球根に似ているからですね。
oignonとognon、正しいのはどっち?
「玉ねぎ」はフランス語でoignon(オニョン)と表される場合と、ognon(オニョン)と表される場合があります。実際は、どちらが正しいフランス語なのでしょうか?
少し前までは、oignon(オニョン)というスペルを使う人が大多数でした。しかし、oignonという単語はそのスペルと「オニョン」という発音が一致していません。そこで、2016年より学校教育で使われる教科書にognonという新しいスペルが登場しました。ognonは「オニョン」という発音と一致した表記法となっています。
元々、1990年にフランスの学術団体でありフランス語の権威であるアカデミー・フランセーズ(Académie française)によって正書法が修正されていましたが、時を経て、2016年に実際に教育の現場に持ち込まれました。
では、一体どちらが正しいフランス語なのでしょうか?
現在でも、広く普及しているのは従来のoignonというつづり方です。また、正書法が修正されたとは言え、この修正はognonの使用を義務化するものではありません。
そのためどちらも間違ったフランス語ではなく、好きな方を使えばコミュニケーション上も問題はないでしょう。もしこれからこの単語を覚えるのであれば、新しく教えられているognon(オニョン)で覚えるのがよいですね。
玉ねぎに関するフランス語の表現
最後に、玉ねぎに関するフランス語の単語や表現を見ていきましょう。
玉ねぎのみじん切り
玉ねぎの調理法と言えばみじん切りですよね。
「玉ねぎをみじん切りにする」はフランス語で、
hacher un oignon(アシェ アノニョン)
と言います。また、「玉ねぎのみじん切り」はフランス語で、
oignon haché(オニョンナシェ)
と言います。
飴色になるまで炒める
料理のレシピなどでよく「飴色になるまで玉ねぎを炒める」という表現がありますよね。
これをフランス語では、
caraméliser(キャラメリゼ)
という動詞を使って表現します。
フランスでは砂糖や塩を使って玉ねぎを炒めることが多く、caraméliserという表現がある場合はこのような調味料が同時に入っていることが多いです。直訳は「キャラメル色にする」です。
aux petits oignons
oignonを用いたフランス語のイディオムの1つに、
aux petits oignons(オ プチ オニョン)
という言い回しがあります。このイディオムには、「しっかり」「注意深く」という意味があり、転じて「完璧に」といった意味もあります。
例えば、
Mon frère s’est cassé le bras gauche, donc nous le traitons aux petits oignons.(モン フレール セ カッセ ル ブラ ゴーシュ ドンク ヌ ル トレトン オ プチ オニョン)
は「弟が左腕を折ってしまったので、私達は彼を気遣い大切に扱っている」という意味になります。
「玉ねぎ」のスペルは異なっても発音は同じ
oignon(オニョン)とognon(オニョン)はスペルが異なりますが、どちらも発音は同じです。正書法としてはognon(オニョン)が推奨されているので、これから覚える人はこちらで覚えてしまいましょう。
フランス語は基本的に発音規則を覚えておけば初めて見る単語でもほとんど読むことができますが、このようにイレギュラーなものがあることも覚えておきましょう。