フランス語の数字は日本語や英語の数え方とは大きく異なるため、よく難しいと言われます。ここでは、正しい発音や読み方、その数え方の法則を分かりやすく解説していきます。
また後半には、基本的な数字の他に序数や分数、少数についてもその表し方を紹介しているので、参考にしてみてください!
もくじ
フランス語の数の表し方
「数」はフランス語でnombre(ノンブル)と言いますが、数字の言い方を正しい発音や読み方とともに紹介していきます。
ちなみに、「数字」自体のことをciffre(シッフル)と言い、電話番号などの「番号」をnuméro(ニュメロ)と言います。覚えておきましょう。
0~16の表し方
まずは、0から16までの数字を見ていきましょう。「アン・ドゥ・トロワ」は一度は聞いたことのある響きなのではないでしょうか?
これらの数字は、これから出てくるより大きい数字の元となってくる数です。では、一覧表で見てみましょう。
数 | フランス語 | 読み方 |
---|---|---|
0 | zéro | ゼロ |
1 | un / une | アン/ユンヌ |
2 | deux | ドゥ |
3 | trois | トロワ |
4 | quatre | キャトル |
5 | cinq | サンク |
6 | six | スィス |
7 | sept | セット |
8 | huit | ユイット |
9 | neuf | ヌフ |
10 | dix | ディス |
11 | onze | オンズ |
12 | douze | ドゥーズ |
13 | treize | トレーズ |
14 | quatorze | キャトールズ |
15 | quinze | カンズ |
16 | seize | セーズ |
使う上でいくつか気をつけなければならない点があります。
1は修飾する名詞が男性名詞ならun(アン)、女性名詞ならune(ユンヌ)となります。例えば、un stylo(アン スティロ)「1本のペン」であったり、une pomme(ユンヌ ポム)「1つのりんご」という感じです。
six(スィス)は英語のsixとスペルが同じなため「シックス」と発音しないようにしましょう。
sept(セット)のpは発音しません。「セップト」のようにはならないということですね。
neuf(ヌフ)は次の単語が母音で始まる場合、音がつながって「ヌヴ」という発音に変化します。例えば、neuf oranges(ヌヴォロンジュ)「9つのオレンジ」のようになります。
16までの数字は規則や法則がなく、丸暗記しなければならない部分になります。
17~19の表し方
次に、17から19の表し方を見ていきましょう。とても微妙なところで区切りが悪いですが、ここからフランス語独特の表現方法になってきます。
17、18、19の表し方はそれぞれ次のようになります。
数 | フランス語 | 読み方 |
---|---|---|
17 | dix-sept | ディセット |
18 | dix-huit | ディズュイット |
19 | dix-neuf | ディズヌフ |
つまり、「10+(一の位の数字)」という表し方をします。
このとき気をつけるべき点は、10を表すときはdix(ディス)と発音したのに対し、dix-septは「ディ」、dix-huitとdix-neufでは「ディズ」と音が濁っていることです。
20~29の表し方
それでは、20から29の表し方についても、順に見ていきましょう。
20~29はそれぞれ「20+(一の位の数字)」という表し方をします。20はvingt(ヴァン)と言います。
数 | フランス語 | 読み方 |
---|---|---|
20 | vingt | ヴァン |
21 | vingt et un | ヴァンテアン |
22 | vingt-deux | ヴァントゥドゥ |
23 | vingt-trois | ヴァントゥトロワ |
24 | vingt-quatre | ヴァントゥキャトル |
25 | vingt-cinq | ヴァントゥサンク |
26 | vingt-six | ヴァントゥスィス |
27 | vingt-sept | ヴァントゥセット |
28 | vingt-huit | ヴァンチュイット |
29 | vingt-neuf | ヴァントゥヌフ |
21のときのみ、vingt et un(ヴァンテアン)とetという単語で20(vingt)と1(un)をつなぎます。
また、vingt-huit(ヴァンチュイット)の場合のみ、huit(ユイット)が母音で始まる単語なのでvingt(ヴァン)と発音がつながる点もポイントです。
30~69の表し方
30から69については、大きく以下の2つの法則に従って数字を表します。
①31や41など一の位が1のものは、et un(エ アン)という表現をつける
②32や67などそれ以外のものは、-(トレデュニオン)でつなげる
例えば、31はtrente et un(トロンテアン)、47はquarente-sept(キャロントゥセット)、59はcinqante-neuf(サンコントゥヌフ)といった感じです。
それぞれの数字の十の位となる、30、40、50、60は以下のように表現します。
数 | フランス語 | 読み方 |
---|---|---|
30 | trente | トロントゥ |
40 | quarante | キャロントゥ |
50 | cinquante | サンコントゥ |
60 | soixante | スワソントゥ |
trenteのみ語尾が-ente、それ以外は-anteとなります。
70~79の表し方
70より大きな数字はさらにややこしい表し方をします。例えば、73は「60+13」というように、60を基準にして表現します。
次の一覧表で、70から79の表し方を見てみましょう。
数 | フランス語 | 読み方 |
---|---|---|
70 | soixante-dix | スワソントゥディス |
71 | soixante et onze | スワソンテオンズ |
72 | soixante-douze | スワソントゥドゥーズ |
73 | soixante-treize | スワソントゥトレーズ |
74 | soixante-quatorze | スワソントゥキャトールズ |
75 | soixante-quinze | スワソントゥカンズ |
76 | soixante-seize | スワソントゥセーズ |
77 | soixante-dix-sept | スワソントゥディセット |
78 | soixante-dix-huit | スワソントゥディズュイット |
79 | soixante-dix-neuf | スワソントゥディズヌフ |
71の場合のみ、soixante et onze(スワソンテオンズ)と、et(エ)を使って60(soixante)と11(onze)をつなげます。
ちなみに、フランスの東部やベルギー、スイスなどの地域では、70を表すseptante(セプトントゥ)という単語が用いられることもあります。
80~99の表し方
80から99の表し方を見ていきましょう。80は「4×20」で表します。
数 | フランス語 | 読み方 |
---|---|---|
80 | quatre-vingts | キャトルヴァン |
81 | quatre-vingt-un | キャトルヴァンアン |
82 | quatre-vingt-deux | キャトルヴァンドゥ |
83 | quatre-vingt-trois | キャトルヴァントロワ |
84 | quatre-vingt-quatre | キャトルヴァンキャトル |
85 | quatre-vingt-cinq | キャトルヴァンサンク |
86 | quatre-vingt-six | キャトルヴァンスィス |
87 | quatre-vingt-sept | キャトルヴァンセット |
88 | quatre-vingt-huit | キャトルヴァンユイット |
89 | quatre-vingt-neuf | キャトルヴァンヌフ |
90 | quatre-vingt-dix | キャトルヴァンディス |
91 | quatre-vingt-onze | キャトルヴァンオンズ |
92 | quatre-vingt-douze | キャトルヴァンドゥーズ |
93 | quatre-vingt-treize | キャトルヴァントレーズ |
94 | quatre-vingt-quatorze | キャトルヴァンキャトールズ |
95 | quatre-vingt-quinze | キャトルヴァンカンズ |
96 | quatre-vingt-seize | キャトルヴァンセーズ |
97 | quatre-vingt-dix-sept | キャトルヴァンディセット |
98 | quatre-vingt-dix-huit | キャトルヴァンディズュイット |
99 | quatre-vingt-dix-neuf | キャトルヴァンディズヌフ |
さすがに頭が混乱してきましたね。
80から99の表現では、vignt(ヴァン)の語尾のtを発音せず、また次に続く単語と発音がつながったりもしないのが特徴です。
80は「4×20」で表すと言いましたが、つまり「4が20個ある」わけですね。なのでquatre-vingts(キャトルヴァン)と複数形になります。
しかし、91や92は語尾にsが付きません。これは、①数字を表す際にその数式に掛け算が含まれ、②一の位が0ではない端数のときは複数形のsを付けないという複雑なルールがあるためです。
ちなみに、スイスでは80をhuitante(ユイトントゥ)と言います。
また、スイスとベルギーでは90をnonante(ノノントゥ)という単語を使って表したりします。
これだけ複雑なのに加えて、地域差もあるんですね。
100~1兆の表し方
それでは最後に、100から1兆の表し方を紹介します。
まず、100はcent(ソン)、1000はmille(ミル)と言います。「ミルフィーユ」というケーキは有名ですが、フランス語のスペルだとmillefeuille(ミルフイユ)と書きます。 「1000枚の葉」という意味ですね。
ここまで出てきた単語を使い、10万の位までを言うことができます。それでは、一覧で見ていきましょう。
数 | フランス語 | 読み方 |
---|---|---|
100 | cent | ソン |
200 | deux cents | ドゥソン |
999 | neuf cent quatre-vingt-dix-neuf | ヌフソンキャトルヴァンディズヌフ |
1000 | mille | ミル |
3000 | trois mille | トロワミル |
10000 | dix mille | ディミル |
100000 | cent mille | ソンミル |
999999 | neuf cent quatre-vingt-dix-neuf mille neuf cent quatre-vingt-dix-neuf | ヌフソンキャトルヴァンディズヌフミルヌフソンキャトルヴァンディズヌフ |
200(deux cents)は数式にすると「2×100」となるので、複数形になります。
また、milleはvingtやcentのときと違い、常に単数形で複数形のsが付くことはありません。
それでは、さらに大きな100万から1兆の表し方を見て最後としましょう。
数 | フランス語 | 読み方 |
---|---|---|
100万 | un million | アンミリヨン |
1000万 | dix millions | ディミリヨン |
1億 | cent millions | ソンミリヨン |
10億 | un milliard | アンミリヤール |
1兆 | un billion | アンビリヨン |
million(ミリヨン)は英語も同じ100万を意味しますが、billion(ビリヨン)は英語で意味する数と桁が異なる点に注意です。(英語のbillionは10億を指します。)
さまざまな数の表し方
ここまで基本的な数の表し方について紹介しました。フランス語では、序数や分数などの場合表し方や用いる単語が異なります。それぞれ見ていきましょう。
序数
序数とは「3番目の」のように順序や順番を表す数です。基本的には、各数の語尾に-ièmeがつく変化をします。ここでは、20までの序数を見ていきましょう。
序数 | フランス語 | 読み方 |
---|---|---|
1番目の | premier / première | プルミエ/プルミエール |
2番目の | deuxième / second / seconde | ドゥズィエーム/スゴン/スゴンドゥ |
3番目の | troisième / tiers / tierce | トロワズィエーム/ティエール/ティエルス |
4番目の | quatrième | キャトリエーム |
5番目の | cinquième | サンキエーム |
6番目の | sixième | スィズィエーム |
7番目の | septième | セチエーム |
8番目の | huitième | ユイチエーム |
9番目の | neuvième | ヌヴィエーム |
10番目の | dixième | ディズィエーム |
11番目の | onzième | オンズィエーム |
12番目の | douzième | ドゥズィエーム |
13番目の | treizième | トレーズィエーム |
14番目の | quatorzième | キャトールズィエーム |
15番目の | quinzième | カンズィエーム |
16番目の | seizième | セーズィエーム |
17番目の | dix-septième | ディセチエーム |
18番目の | dix-huitième | ディズュイチエーム |
19番目の | dix-neuvième | ディズヌヴィエーム |
20番目の | vingtième | ヴァンチエーム |
一般的な「2番目の」「3番目の」を言いたい場合は、それぞれdeuxièmeとtroisièmeを使います。secondやseconde、tiersやtierceは、ほとんど決まった言い回しでしか用いられません。
分数・百分率(パーセント)
フランス語では、例えば「21/38」という分数の「/」の部分をsur(スュール)という単語で表します。sur(スュール)には「〜の上に」という意味がありますが、分数の見た目を思い出してください。分数では分母「の上に」分子が乗っていますね。
例えば、38分の21はvingt et un sur trente-huit(ヴァンテアン スュール トロントュイット)となります。
しかし、このsurを使った表現は主に分母と分子が大きい数字のとき用います。1桁のような小さい数を用いるときは、以下のような決まった言い回しになります。
分数 | フランス語 | 読み方 |
---|---|---|
1/2 | un demi | アン ドゥミ |
1/3 | un tiers | アン ティエール |
2/3 | deux tiers | ドゥ ティエール |
1/4 | un quart | アン キャール |
3/4 | trois quarts | トロワ キャール |
1/5 | un cinquième | アン サンキエーム |
4/5 | quatre cinquièmes | キャトル サンキエーム |
分子が1(un)のときは分母が単数形になり、分子が2以上のときは分母は複数形になります。
また、フランス語では「パーセント」をpour cent(プール ソン)という表現で表します。
例えば、「60パーセント」はsoixante pour cent(スワソントゥ プール ソン)となります。「100パーセント」はcent pour cent(ソン プール ソン)です。
少数
フランス語では、小数点を「,」(カンマ)で表します。フランス語ではvirgule(ヴィルギュール)と言います。日本語や英語の表記とは異なるので注意しましょう。
発音するときは、そのままvirgule(ヴィルギュール)と言います。
例えば、「1.36」はフランス語で「1,36」と書き、un virgule trente-six(アン ヴィルギュール トロントゥスィス)と読みます。
数字はフランス語の難関の1つ
フランス語を理解する上で、1つ障壁となるのがこのフランス語独特の数の数え方です。この記事の説明を見ただけでも、かなり頭が疲れてしまったのではないでしょうか?
自分の年齢や生年月日など、使うことが多そうな数字から覚えてみるといいかもしれませんね!